総合商社各社の概要
三菱商事
商社のリーディングカンパニー、三菱商事。他社に先駆けて、連結経営に移行したり、若手社員の幹部への登用など、業界の古い常識を覆し、それを業界の常識に変えてきたのだ。その意義は非常に大きいといえる。資源開発に注力。中国での物流事業にも乗り出す。
三井物産
業界トップへの復権を目指す三井物産。収益基盤や人材、有力事業会社など、三菱商事に引けを取らない商社。赤字事業の見直しを進めている。鉄鋼や化学に強み。中国を中心とした需要拡大により業績好調。鉄鋼、化学に強く、海外での収益に厚みを増してきた。
住友商事
石橋を叩いたら渡りきる住友商事。銅事件で社内が危機感を共有し、その後の改革の諸施策を着実に実行。その結果、ついに最終目標のリスク・リターン7.5%以上を達成した。バリューチェーン構築の一環として小売にも参加。フィリピンの物流事業にも乗り出す。CATV事業や都市再開発で独自展開。金属取引、自動車などに実績あり。
伊藤忠商事
財閥系を猛追する伊藤忠商事。伊藤忠商事は過去10年、不良債権の処理に追われてきた。丹羽社長の下、財務体質を改善させ、目下、小林新社長が攻めの経営を推進している。旧一勧系で繊維は断トツ。情報通信と中国展開で先行している。
丸紅
大手の一角に踏みとどまった丸紅。強硬なリストラを推し進め、財務体質の改善に成功。再生から飛躍をキーワードにした新中期経営計画の【Vプラン】を進めているのが現状である。芙蓉グループの総合商社。穀物、重電、機械・プラント、化学、マンションなどの街づくりに強みを持つ。ダイエーの再建における役割は大きく、成否が今後に影響大。
双日
日商岩井とニチメンの統合で発足した双日。銀行再編の荒波に呑まれ、経営統合を余儀なくされ、さらなるリストラを断行してきたが、体質改善は着実に進みつつあり、今後が期待される。
豊田通商
総合商社化する豊田通商。トーメンとの経営統合で、総合商社への仲間入りをする。商社界における台風の目となる可能性は十分であろう。